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リモートハラスメント対策も!事業主が気を付けたい、テレワークの5つの落とし穴と対策

2020年6月16日


新型コロナウィルスの感染拡大にともない緊急事態宣言が発令される中、一気に加速したテレワーク。初めての取り組みで、さまざまな課題を抱えている事業主の方は多いかと思います。そこでこの記事では、テレワークで陥りがちな落とし穴とその対策についてお伝えします。

★テレワークの落とし穴と成功のための対策ポイントまとめ★

  1. 従業員の適正な評価が難しくなる
    →成果だけで判断せず総合的評価を
  2. 従業員のメンタルの変化に気づきにくくなる
    →朝礼や定期ミーティングでコミュニケーションの機会を設ける
  3. 自宅だと作業効率が低下する
    →仕事モードへの切り替えスイッチを作れるような仕組みづくりを
  4. ミスコミュニケーションが発生する
    →報告・連絡・相談を徹底するための仕組みづくりを
  5. セクハラ・パラハラなどのリモートハラスメント
    →オンライン会議はすべて録音・録画し会社に提出するなどの決まりを作る

在宅ワークの現状

外出自粛の影響で、在宅ワークを導入する企業は増加傾向に

我が国の企業におけるテレワーク導入率は、右肩上がりに増加しています。パーソル総合研究所の調査(※)によると、新型コロナウィルス感染拡大の事態が深刻な東京都内で働く人の49.1%がテレワークをしているとのこと。また、神奈川県では42.7%、千葉県では38.0%、埼玉県では34.2%、大阪府では29.1%という調査結果も出ています。

初めて取り入れる企業ではさまざまなトラブルや不具合が

以前から在宅ワークを取り入れていた企業ではそこまで大きなトラブルは出ていないかもしれません。しかし、今回の新型コロナウィルス感染拡大防止対策で在宅ワークを導入せざるを得なくなった企業では、様々なトラブルや不具合が生じて業務に支障が出ているという声を耳にします。在宅ワークを円滑に回すためには、「会社でやっていた業務を単に自宅に場所を移してやるものではない」と把握した上で進めていく必要があると言えるでしょう。

参考:パーソル総合研究所「新型コロナウィルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」
https://rc.persolgroup.co.jp/news/files/news-data.pdf

在宅ワークの課題と対策


ここからは、在宅ワークにおいて起きがちな課題とその対策をご紹介します。

課題①従業員の適正な評価が難しくなる

事業主にとって、在宅ワーク推進における課題のひとつは「目が行き届かない従業員の管理」。オフィスでの勤務では、従業員が出勤することで従業員の心身の状態や業務の進捗状況などが見えました。
在宅ワークではそれらが見えないからこそ、成果のみで判断する傾向が強くなるケースがあります。ある意味実力主義的になるのです。

しかし、一人でひとつのことを完結させる業務は少なく、「成果」は営業成績の数字のようにひと目で見えるものではありません。複数名で手がける業務が多いため、最終的な成果を出した者だけの働きでできあがっているわけではないのです。その業務のプロセスにおいて、関わった各々が持つスキルやその仕事に関わる割合などが違うことも考慮しなくてはなりません。

<対策>
出された成果だけではなく、業務内容を総合的に判断しましょう。そのためには今まで以上に、従業員一人一人の性質や性格、経験年数やスキルなど様々な面から見る目が必要になります。

例えば必要に応じてオンライン面談やコミュニケーションの場を設けて、一つのプロジェクトに対して従業員それぞれがどのように向き合い、時間を割いているのか、成果以外の面をリアルな声からキャッチアップすると良いでしょう。

課題②従業員のメンタルの変化に気づきにくくなる

在宅ワークが続くと、同じ職場にいれば気がつくような従業員の様子の変化に気づくのが遅れることもあります。
従業員が自ら自分の変化や不調を周囲に共有してくれればいいのですが、それが苦手なタイプの方は社会的孤立感に陥ったり、モチベーションが下がったり、作業効率が低下したりします。結果として、心身の健康を損なうことにもなりかねません。

<対策>
従業員がネガティブな思いを一人で抱え込んで社会的孤立感を深めてしまうことにならないために、工夫が求められます。
毎朝の朝礼をリモートで行う、定期的にミーティングを開くなど、受動的なタイプの方でもコミュニケーションに参加できるしくみ作りをしておくことで、孤立するのを防いでいきましょう。

課題③作業効率が低下する

通勤の満員電車が苦痛だった従業員は多いと思います。在宅ワークによって通勤から解放されると、時間と労力の消費がなくなります。その反面、私たちは「通勤」という場所を移動する行為を行うことで、オフモードから仕事モードへと知らず知らずのうちにスィッチングされていました。

それが在宅勤務になると、何となく仕事を始めて、何となく終わった・・・という流れになりがちで、スイッチの切り替えが明確にできず、それが作業効率を低下させる一因になります。

<対策>
従業員を、オフモードから仕事モードにシフトするためのスイッチを、事業主は意識的に設ける必要があります。

例えば「今から仕事を始める!」という自分のスィッチをONにするための作業や行動を自分なりに決めてもらいます。そして、「それをやった」という報告の場を共有サーバー上などに設けましょう。やったかやっていないかに制裁を加えるのが目的ではありません。「報告するという行為がある」ことで継続がしやすくなります。

この時に誤解しがちなのは、初日から一発で効く魔法のスィッチはない!ということ。最初はあまり効果を感じなくても「パブロフの犬」のように、条件付けで自分のスィッチがONになるように毎日続けることで心と身体が覚えてくれます。事業主は「こんなことをやっても効果がない」「うちの従業員はすぐに仕事モードにならないからダメだ」などと短期的に判断せず、少し長い目で見守っていくことも大切です。

課題④ミスコミュニケーションが発生する

オフィスでは声をかけて確認していたことも、在宅ワークになると「わざわざ電話やメールで確認するほどのことでもない」と感じ、一人で判断・行動してしまう従業員が増える可能性があります。それにより、仕事の判断を誤るケースも起こりえます。

<対策>
「いつ、誰に、どのように」報告・連絡・相談するのか、そのための場を事業主が積極的に設けましょう。

例えば、質問・確認タイムを設けて、よほど急ぎでない限り、その時間にまとめて質問・確認するようにする。または質問・確認の共有サイトを作ってそこに入力する。質問・確認を受けた方は、回答に時間を要する場合には「入力内容を見た」ということを知らせることをルールにしておくといいかもしれません。オンライン化が進んだからこそできることが多々あるので、業種・業態に合うツールを選ぶことでかなり解消できると思います。

課題⑤リモートハラスメント

在宅勤務で職場と自宅の境界線がなくなっています。それにより、今まで見えなかったプライベートな環境が見えたり、職場では口にしなかったことをつい言ってしまったりして、それがエスカレートしてリモートハラスメントに発展するケースが増えています。

コミュニケーションは重要ですが、便利なリモートツールも使い方によっては個室状態になることがあります。まわりの目がなくなることで気が緩んでパワハラやセクハラにつながる言動を防げるよう、事業主として策を講じておかなくてはなりません。

<対策>
リモートツールには、録音・録画機能が付いているものも多いようです。1対1の打ち合わせでも、複数の会議であっても、すべてを録音・録画して会社に提出することをルールにしておくのもひとつです。それだけで、録音・録画されていることで、パワハラ・セクハラ発言の抑止力になります。

会社のルールとすることで「秘密録音」にならず、悪用されるリスクも少なくなるでしょう。もちろんそのために、従業員や下請けなど関わる人たちに守秘義務があるのは言うまでもありません。リアルな職場でも、知り得たことを外に漏らさないための取り決めはすでにされていると思いますが、それを再確認する機会を設けましょう。

外出自粛によって在宅ワーク導入したことをきっかけに、今後も新たな働き方として在宅ワークを継続する企業は多くなるかもしれません。事業主が以上のポイントを意識すれば、在宅ワークはスムーズに進んでいくはずです。ぜひ参考にしてください。

キーワード: フリーランス, リモートワーク, 事業主

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ビジネスマインドトレーナー
高橋ひさ子さん (舞夢メンタルサポート株式会社)
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