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【不動産ビルのオーナーの方向け】テナント賃料の減免・猶予に関する支援策3つ

2020年5月26日

今回のコロナショックで、テナントの賃料を減免・猶予しているオーナー様もいるかと思います。そこで本記事では、オーナー様が活用できる3つの支援策をご紹介します。それぞれ概要や適用条件、オーナー様にとってのメリットなどを記載していますので、ぜひ参考にしてください。

テナント賃料の減免・猶予に関する3つの支援策

5月7日時点では、テナント賃料の減免・猶予に関して、大きく分けて3種類の支援策が発表されています。使える可能性があるパターン分けすると、以下のようになります。本記事では、この3種類の詳細をご説明します。

【1】税・社会保険料の納付の猶予

【概要】

令和2年2月1日から令和3年1月 31 日までに納める期限がくる税・社会保険料について、無担保かつ延滞税なしで1年間納税の猶予を受けられる制度が創設されました。
わかりやすく言うと、「不動産オーナーが今年度払う税金等に対して、ちょっと待ってくれる制度」というイメージです。

【適用条件】

  1. 新型コロナウイルスの影響により、令和2年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等の収入が前年同期と比較して、概ね 20%以上減少していること
  2. 一時に納税することが困難であること※「一時に納税することが困難」とは、納付可能金額(手元資金-当面の資金繰りに必要な額)が納付すべき国税の額に満たないケースなどです。※「当面の資金繰りに必要な額」とは、事業継続のため6か月以内に支出が予定されている金額は運転資金と認めるほか、臨時費用なども認められる可能性があるようです。

【オーナー様にとってのメリット】

オーナー様がテナントの賃料の支払いを減免した場合や、税・社会保険料の納める期限においてテナントに賃料の支払いを猶予中の場合も、収入の減少として扱われます。「手元に入ってきていないお金が「収入の減少」とみなされます

【注意点】

この制度は納付期限までに事前に申請が必要です。

※令和2年6月 30 日までは納付期限後であっても申請できます。

【細かいことの相談先】

国税局猶予相談センター

【2】固定資産税・都市計画税の減免

【概要】

中小企業や小規模事業者に対して令和3年度の固定資産税及び都市計画税を、売上の減少幅に応じて1/2またはゼロに減免する制度です。

こちらは猶予ではなく、免除や半減のため、使えれば経営上大きな支援になります。
ただし、その分適用のためのハードルが高くなっています。
また、令和3年度の課税分に対して適用されます(令和3年4月以降に納付書が郵送されてくる分)。

わかりやすく言うと、「今年度の売上が厳しかった証明をして、来年の支払いを免除(半減)にします」というイメージです。

【適用条件】

①売上減少条件に適合していること

令和2年2月~10月までの任意の連続する3ヶ月間の事業収入の対前年同期比減少率 減免率
50%以上減少 全額
30%以上50%未満 1/2

②中小企業や小規模事業者であること

③認定経営革新等支援機関にて、事前に各種確認を受けること

※認定経営革新等支援機関とは、商工会や商工会議所など中小企業支援者のほか、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士等が主な認定支援機関として認定されています。詳細は中小企業庁のホームページで確認できます。

④性風俗関連特殊営業を行っていない旨を提出すること

【対象となる固定資産税】

事業用家屋と償却試算

※事業用であっても「土地」は対象外です。

※事業用と居住用が合わさった家屋の場合、事業用の割合に対しての適用です。

【オーナー様にとってのメリット】

オーナー等がテナント等の賃料の支払いを減免した場合や、書面等により一定期間、賃料の支払いを猶予した場合も収入の減少として扱われる予定です。こちらも手元に入ってきていないお金が「収入の減少」とみなされます

【注意点】

複数の事業をしている会社の場合、事業収入の減少の判定は全ての事業収入の合計額で比較します。
このため、A事業とB事業の合算した事業収入が減少していることが要件となります。

【詳細の相談先】

中小企業庁の担当窓口や、顧問の税理士など。

【3】減免による損害の額の損金算入

【概要】

法人・個人問わず、新型コロナウイルスで賃料の支払いが困難となったテナント等に対して、被害が生じている期間の賃料を減免した場合、条件を満たせば寄附金ではなく損金として計上できる制度です。
こちらはほとんどのオーナーが使用できる支援です。わかりやすく言うと、「ルールを守ってお金を仕分けすることで節税につがなる」というイメージです。

【適用条件】

  • 新型コロナウイルスに関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること
  • 賃料の減額が、取引先等の営業継続や雇用確保などを目的としたものであり、書面などにより確認できること
  • 賃料の減額が、被害が生じた後、営業再開までの復旧期間等に行われたものであること

【オーナー様・管理会社にとってのメリット】

賃料の減免に応じたオーナー様にとっては、減免分が節税につながります
また、この制度を知る前に既に行った賃料の減免に対しても、同様に適用可能です。

【注意点】

新型コロナウイルスに関連して減免したという書面の提出を税務署より求められる場合があるため、覚書等を作成の上、保存しておく必要があります。文章例は国土交通省が掲載しているので、ここに転載いたします。

※日付の下には貸主・借主の記名・捺印も必要です。

【細かいことの相談先】

管轄の税務署や顧問の税理士など。

今後しばらくは、コロナショックの影響でテナントの賃料を減免・猶予しているオーナー様にとって大変な時期が続くかと思います。今回ご紹介した支援制度は、そんなオーナー様の助けになるはずです。ぜひ有効利用して難局を乗り越えていただけるよう、祈っております。

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宅地建物取引業
中谷崇志さん (株式会社トライアス)
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